第79回日本PTA東海北陸ブロック研究大会福井大会参加報告

第79回日本PTA東海北陸ブロック研究大会福井大会参加報告

『第79回日本PTA東海北陸ブロック研究大会福井大会に参加して』 

 PTA役員になると、会議等の集まりが多く大変だと感じられる会員さんも多いと思います。一方で記念講演等により、多くの方のお話を伺う機会をいただき、優先的に親の学びへと繋がる時間を過ごす事もできます。そんな貴重な時間を今年も共有する事ができました。

 10月21日(土)、福井県において東海北陸地域のPTA会員約1,500人が参加し、盛大に研究大会が開催されました。大会テーマは『新時代への挑戦〜PTAの価値の再認識〜』 福井県生活学習館をメイン会場、県下5会場をサテライト会場とし、オンライン配信でつなぐ令和の時代に即した研究大会でした。
 各分科会会場ごとでの事例発表、パネルディスカッションにおいては、新たな情報を得る事ができた良い交流の場となりました。我々は、コロナ禍というきっかけを受け、会員不足をはじめとする新たな課題解決に向けて、活動内容の見直し等、新時代へのステージに駆け登るため、共に考える時だと考えます。

 記念講演においては、『これからの教育、これからの協働』をテーマに東北福祉大学教授の長田徹氏に、ご講演いただきました。大切な学びと有意義な時間を過ごす事ができた講演でした。本講演において、子ども達の学習意欲を高めるには、外発的要因と内発的要因によるものと教えていただきました。中でも、最も効果があるのが、内発的要因が高く外発的要因が低い時だそうです。やはり、自らの意思によるやる気は重要ということです。また、小学生低学年では将来の夢がある児童、高学年から中学生においては、より具体的な将来の夢がある児童・生徒の方が成績が良いとの研究結果もあるそうです。目標がしっかりしているからこそ、自分が今何をするべきなのか、何をしなければいけないのかが明確なため、有効的な勉強に励み、必然的に結果も伴うという事ではないでしょうか。

 日本の子どもたちの基礎学力は世界的にみても高い水準にあると言われています。しかし、学校で学んだ事(勉強)が、大人になり社会(仕事)へつながると感じる人は少なく、大人になると知識が剥落している傾向が強くあります。子どもの自殺者数が年々増えているのも、将来への不安の表れであり、子どもたちからのメッセージなのかもしれません。
『なぜ、勉強をしているのか?』 『なぜ、勉強をしなければいけないのか?』
この答えを見つけるのは子どもたち自身ですが、その答えを見つけやすいように導いてあげるのが、保護者の責務ではないでしょうか。「轍」による導きにより子どもたちの「キャリア」形成につなげていく事が、我々の役目かと思います。道筋を教えてあげられる、そんなファシリテーターになれたら最高ですね。

 また、学校生活において地域住民の方々との交流が多い学校の子どもは、成績が良いという研究結果もあるそうです。学校の先生だけではなく、より多くの大人と接する事で、コミュニケーション能力の向上にもつながり、また色んな考え方に触れる事ができているからではないでしょうか。では、山県市内の子ども達はどうでしょうか?各小中学校において、地域交流の活動内容は様々ですが、1人でも多くの子ども達が何かを感じ、考え、自分の行動にうつしてくれる事を願っています。子どもたちを育てていくのは、家庭だけではなく、学校だけでもありません。地域で育てていく事も重要であり、それこそが地域との協働へとつながっていきます。

 我々保護者(PTA会員)の想いはひとつ。『全ては子どもたちのために』これに尽きると思います。子どもたちのために何ができるのか。何をする事が良いのか。正解はないかもしれませんが、この活動を止める訳にはいかないのではないでしょうか。
 我々保護者も共に学び、子どもたちの明るい未来を共に築いていきましょう。

                          山県市PTA連合会 
                          県評議員兼委嘱副会長 神原義典